埋蔵文化財は、国民共有の財産です。
「文化財保護法」では、遺跡がある土地の開発工事を行なう場合、届出や通知が必要であるとされています。開発工事により現状保存が困難な場合には、地元教育委員会の指導のもとで発掘調査を行い、記録保存というかたちで遺跡があった証しを後世に伝えていく責務があります。
弊社は、豊かな生活を実現するための開発と文化財保護の調和を尊重し、なにより、これからそこに住まう皆さまに土地への愛着や誇りを感じていただくための歴史物語を、発掘するお手伝いをさせていただきたいと願っております。
文化財では、開発事業や史跡整備事業に伴う試掘調査から報告書作成まで、埋蔵文化財の調査に関する一連の業務を行っています。 一部の業務だけでも対応可能です。緊急なご要望にも対応できる機動力が弊社の持ち味です。ご予算と期間に応じた調査方法をご提案いたしますので、いつでもご相談ください。 文化財は新しい部門ですが、経験豊富なスタッフと若いスタッフが一丸となって、伝統的な技術と最新の技術を織り交ぜながら、将来性のある柔軟さで対応します。
発掘調査や史跡整備事業に先立つ事前調査として、非破壊調査である地中レーダー探査(GPR)を行います。
現地近隣の皆さまのご理解とご協力のもと、経験豊富なスタッフが手際よく発掘作業を進めていきます。出土遺物については、出土状況に応じた適切な方法で検出作業を行います。
弊社がこれまでに培ってきた測量技術と図化技術を活かし、電子平板、オルソ画像、無人航空機による空中撮影などを駆使して、迅速に精度ある三次元情報で遺構の実測図を作成します。
現場で記録した遺構の実測データと現場所見の整合を確認し、必要な情報をわかりやすい形に整理します。
出土遺物を洗浄し、復元と注記作業を行います。多量の遺物を取り扱う際には、インク噴射式の注記マシンで対応します。同時に、破片点数や重量を電子秤などを用いて計量し、台帳に記録していきます
重要な出土品については、学術的報告に適う方法で計測と図化を行います。 三次元スキャナを応用した図化により、精度の高い画像との融合も可能です。
デジタルカメラを使用して出土遺物を撮影し、必要に応じて画像処理による質感の調整を行います。
専門性の高い自然科学分析や保存処理については、分析・保存機関との連携及び調整を行います。
発掘調査の成果を、一般の皆さまに公開するために、埋蔵文化財発掘調査報告書にまとめます。報告書の執筆には専門知識豊富な弊社スタッフがあたります。画像編集ソフトや組版ソフトを使い、実測図と写真に調査所見を加え、版下を作成します。
報告書の製本は印刷専門業者に依頼します。報告者が完成すると、全国の教育・学習機関へ送付作業を行います。遺物と各種データは、丁寧に梱包し、地元の教育委員会へ納品します。 こうして、一連の発掘調査業務が完了です。
地中レーダ探査とは、電磁波の「波動」としての性質を利用して、地中の構造を把握する探査手法です。電磁波(パルス波)を地表から地中に向けて放射すると、地中の電気的性質が変化する部分が電磁波の反射面となり、この反射面からの反射波が地表に帰ってきます。この反射波を捉えることにより、地下浅部の地盤構造や空洞、埋設物などを非破壊的に探査する方法です。
広範囲の地形データ取得に活用され、草木で覆われた地表面を効率よく詳細なメッシュデータを作成。セスナ・ヘリ・ラジヘリ等で縮尺に合わせスキャンします。
詳細な地形データを地上の何点かから、死角の無いデータを取得し現況の地形を机上に再現します。